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FOB Stowed Trimmed (続)

FOB STの続編です。
この条件では、売り手は船積み条件として、自ら手配して行う積み込みの1日当たりの数量を約束して提示します。これは傭船料(荷役料金を含まない運賃)の高額な外航船を、荷役作業の遅れで滞船させてしまったときのリスクを、売り手が負担するという意味を待ちます。
仮に1日当たりの積高(Loading Rate)を1,000トンとし、取引総量を5,000トンとするならば、本船の停泊期間(Laytime)は5日間 となります。これを「Loading Conditions:
1,000 metric tons per weather working day, Sundays and Holidays excepted unless used」 (荷役できる天候の1日当たり1,000トン 日曜祝日を除く) と売買契約書に規定します。お気付きのように、降雨のときは荷役が出来ない在来船の天候リスクは、買手が負っています。さらに滞船料(Demurrage)日額を定めます。約束された停泊期間5日以内に、積み込み、積み付け作業が完了させないと、荷役6日目から売り手は買手へ滞船料を支払う義務が生じます。同時に早出し料(Dispatch Money) も設定して、売り手が約束の日数の満了よりも早く荷役を完了して、買手が船を出航させられる状態にした場合、売り手の迅速な仕事の結果にたいして、買手から売手へ、謝礼の意味で滞船料の半額程度の早だし料を支払う約束をすることが、しばしばあります。(時間の起算、計算の仕方など、ルールの詳細は当事務所へお問い合わせ下さい。Email: info@oda-legal.com 無料で解説します。)荷役のための停泊日数を関係者の間で定めることを、業界用語でランを切ると言います。この語源は「Running Days」だと思われます。

買手は、本船を FIST (Free In Stowed Trimmed) もしくはFIOST (Free In Out Stowed Trimmed) で傭船し、上記のLoading Rate、Laytime, Demurrage, Dispatch Moneyの条件を、売り手を自分(Charterer)、買手を船会社(Owner)に置き換えて、傭船契約を結ぶと、船積みに関する全てのリスクは、Dispatch Moneyを稼げるかもしれない権利と共に買手を素通りし, 船会社と売り手の関係にヘッジされるわけです。つまり、買手は、荷役が遅延したら、滞船料を売り手から徴収して船会社に払い、荷役が約束の日数よりも早く完了したら、早出し料を船会社から徴収したて売り手に払います。
以上が、FOBST条件によるバイヤー配船の概要です。
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FOB Stowed Trimmed

今日は貿易の契約用語を取上げます。
実務では不可欠な船積み条件であるにも拘わらず、貿易実務や国際取引法の書物に載っていないのがFOB ST (Free On Board Stowed Trimmed)です。この条件は、少なくても一船倉は満載に積まれる商品貨物に適用されます。例えば鉄鋼やセメント等で、それらの輸出の際に、海外の買い手が自ら船をチャーターして、売り手の工場の岸壁(当然、保税指定を受けており、通常工場内に税関の出張所も開設されていますが、公共の港ではありません。)に横付けし、売り手の職責を貨物の積み込みのみならず、船内作業である積み付け(荷物の配置、固定、個縛)とそれらの費用負担にまでを拡張してもらうやり方です。この作業には、船のバランスを保つため、積荷の重量配分や荷崩れ防止を本船の一等航海士の指示通りすることが含まれ、荷役業者(ステベドア)は船主ではなく、売り手が自分の費用で雇います。

INCOTERMS のFOBに、「Stowed Trimmed」 の定義として、Charter Party (傭船契約書)“GENCON”Part II 第5条の文章のCharterer をSeller, Owner をBuyer と読み替える規定を売買契約書に盛り込んで使用するのが一般的です。(傭船契約書の詳細は当事務所 email: info@oda-legal.com か社団法人 日本海運集会所 http://www.jseinc.org 電話03-5802-8363へお問い合わせ下さい。)
INCOTERMSでは危険負担が、貨物が本船の舷側の手摺り(本当は波浪のデッキへの打ち込みを防ぐために取り付けられている頑丈な鉄板で、Bulwarkといいます。)を通過した時、売り手から買手に移転することになっていますが、FOB ST条件では、売り手は積み込み後の船内での積み付け等が完了するまで、危険負担から開放されないと理解されています。しかし、明文化された規定が無いので、売買契約書に、その旨一行書き加えるのがよいでしょう。

更に、積み込み日数と滞船料の取り決めを売り手と買手で行い、船をチャーターする買手は、船主に対する自分の積み込み日数と滞船料の責任とリスクを売り手にヘッジします。このあたりのお話は次回以降にいたします。
もう一点の注意事項はこの条件では、ダンネージ(Dunnage) 代が売り手の費用として発生することです。ダンネージとは荷物を在来船に積むときに、荷物の保護と固定のために必要な角材や合板等の資材費で、荷物の梱包の形状が不安定だったり、弱かったりすると、トン当たり数ドル掛かります。これが一貨満載の貨物(数千トンから数万トン)だと合計では大変な金額になりますので、この積算と費用計上を間違わないように注意することが肝要です。昔、米国企業のバイヤーだった私のカウンターパートだった大手商社の輸出担当の方が、これを間違えて大変痛い目に会われたことを今でも覚えていますので、念のために申し添えます。(続く)

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